鏡下咡語
日本耳鼻咽喉科学会総会を終えて(2)
立木 孝
1
1岩手医科大学
pp.932-933
発行日 1982年11月20日
Published Date 1982/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209526
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演題採択委員会について
今回の学会では演題採択委員会を設けて出題を評価した。演題採択委員会の設置は今回が初めてではなく,特に最近の数回は,必ず行われていることはよく承知していた。しかしこれまでの委員会構成は,委員の数も少なく,しかも地域的なものであり,委員には特別に大きな負担がかかるのではないかと私は考えていた。これはおそらく,委員会が委員の集まりによる具体的な意見交換の場を経る形をとっていたためであろうと思われたので,私は書類による複数評価(1つの演題を3人にみてもらう)の方法をとることとし,委員の数を増し,地域性を排除した。この方法でも委員をお願いした方々にはやはりかなりの負担を強いることになったが,われわれにとってもその作業はかなりハードなものとなった。
評価は,独創性,新鮮さ,焦点,完成度など数項目にわたっての5段階評価法としたが,その結果は,1つの演題に対する3人の委員の評価がよく一致している点に驚かされた。例えば,「この演題は7分講演が適当か,4分講演が適当か,誌上発表が適当か,不採択が適当か,」という設問に対してそれぞれの演題について3人の委員が示された判断は,3人のうち少なくともその2人が一致したものが全体の80%を越していたのである。従ってその結果が,会長のプログラム作製上に如何に大きく役立ったか,御理解頂けると思う。
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