創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
治療に必要な臨床検査の要点
尿検査
折田 義正
1
,
上田 尚彦
2
1滋賀医科大学第三内科
2大阪大学医学部第一内科
pp.859-862
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208780
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1.尿検査の目的
1)腎前性疾患の診断
血液成分に異常があると,これが尿に現れることがある。すなわち,腎は生体の内部環境を一定に保つために働いており,生体のおかれた環境,状態に応じた尿を排泄し,異常成分も排泄される。たとえば血糖が近位尿細管のブドウ糖再吸収閾値をこえれば尿糖が出現し,脱水症では血漿ADH(抗利尿ホルモン)濃度レベルが高まつて水再吸収が増加し,乏尿かつ高比重尿となる。その他,ビリルビン尿(黄疸尿),Bence-Jones蛋白(多発性骨髄腫),尿中K/Na比上昇(アルドステロン症)なども重要である。さらにフェニールケトンあるいは各種アミノ酸の検出(フェニールケトン尿症,その他の代謝異常疾患,肝性昏睡),アルカプトン検出(アルカプトン尿症)なども重要なものとして挙げられる。
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