カラーグラフ 目でみる耳鼻咽喉科 進行性鼻壊疽・3
Midline granuloma(Classical malignant granuloma)
渡部 泰夫
1
1大阪府立病院耳鼻咽喉科
pp.970-971
発行日 1977年12月20日
Published Date 1977/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208586
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鼻を中心に壊死性病変が進行する広義の進行性鼻壊疽の中に鼻悪性細網症(鼻細網肉腫),Wegener肉芽腫とは違つた特異な病態を示す疾患群がある。その特徴は次のようにまとめられる。①顔面正中部に壊死性肉芽性病変による穿孔を生じ進行する。②組織診は多くの場合特異的な所見に乏しく,また他の臨床検査成績も異常が少ない。③壊死が進行し高熱(弛張熱)が続く時期と発熱,疼痛の少ない進行の休止期があり経過が長い。
この疾患群は今日なお特異な病源体が認められていないし病理学的にも1つのentityが確立されていない。したがつて種々の病名で報告されてきたがその中ではmidline granulomaあるいはmalignant granulomaという名称がよく用いられている。
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