特集 良性腫瘍
臨床
喉頭の良性腫瘍
斎藤 成司
1
1慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.857-864
発行日 1977年10月20日
Published Date 1977/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208571
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喉頭の良性腫瘍を厳密に考えれば,病理組織学的に確認された真性良性腫瘍のことである。しかしながら一般に真性良性腫瘍の発生頻度は乳頭腫を除いて甚だ稀である。
喉頭の真性良性腫瘍が乳頭腫を除いて甚だ少ないことはBerendes,Linke,Zöllnerの編集になるHals-Nasen-Ohren-Heilkunde(1963年)の中のMatzkerの執筆による喉頭の良性腫瘍の項を参考にしても,1929年から1960年までに発表された文献からの例数では,上皮性腫瘍では乳頭腫を除いて,Adenomeが13例,Zylindromeが4例,Morbus Bowen 5例であり,非上皮性ではFibrome 28例,Myxome 2例,Plasmozytome 21例,Leiomyome 8例,Rhabdomyome 24例,Lipome 26例,Haemoangiome 24例,Lymphangiome 7例,Chondrome 74例,Gangliome 1例,Osteomo 1例,Neurofibrome 17例,Neurinome 21例,Chemodectome 4例,Mischgeschwulst und Tcratomeが13例と記載されている。文献上の例数であるので実際はこれより多いと思われる。それにしても30余年でこの例数では喉頭の真性良性腫瘍は比較的少ないと考えられる。
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