Melkersson-Rosenthal’s syndromeと考えられる1例

　緒言

　Melkersson-Rosenthal's syndromeは顔面の慢性腫脹，反復する顔面神経麻痺及びLingua plicataと呼ばれる舌の病変の3症状によつて特徴づけられる極めて稀な疾患である。本症はMelkersson（1928年）及びRosenthal（1931年）^1）に依つて指摘されて以来，欧米に於いてはその文献を耳鼻咽喉科領域にも散見するのであるが，本邦では今日迄殆んど報告例が無く殊に我科領域よりの報告は私の調べた範囲ではまだ1例も無い様である。

　ここに報告する1例も本疾患診断の決め手がわからない為Melkersson-Rosenthal's syndromeであると決定しきれないのであるが，然し明らかな上記3症状を持つていて少くも臨床的には本症であると云つてよいものと考えられる。

　Asawa reports a case of Melkersson-Rosenthal Syndrome. A woman, aged 24, is found to be affected with facial paralysis, swelling of the lips and lingua plicata. The disease is characterized by triads of these symptoms. The cases reported in the literature are discussed.