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扁桃と病巢感染—特に心臓疾患々者の慢性扁桃炎と其細菌叢について
佐藤 イクヨ
1
,
鈴木 千鶴子
1
1東京女子医大耳鼻咽喉科教室
pp.681-688
発行日 1957年9月20日
Published Date 1957/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201847
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Ⅰ.緒言
昭和31年9月の日本耳鼻咽喉科学会第340回関東地方会に於て,「扁桃に関する諸問題」についてのシンポジウムが行われ,斉藤英雄助教授は「扁桃の機能について」,山本常市教授は「扁桃の治療について」,窪敦子教授は「扁桃の手術手技について」夫々講演され,佐藤は「扁桃と病巣感染」について分担した。
扁桃性病巣感染として心臓血管系に病変が認められる事が屡々なるに鑑み,私共は逆に心臓疾患々者の病歴を調らべ,扁桃を精査して,扁桃の局所々見を観察し,慢性扁桃炎のある者で事情の許すものに,心臓手術後身体の恢復をまつて将来の禍根を芥除する意味をもつて扁剔を行い,其剔出扁桃について其細菌叢を検索して病巣感染との関連性を研究中であるので,未だ例数が少く纒つてはいないが其中間成績を加味して,扁桃と病巣感染の概略を述べたので,本誌の乞により拙文を草した次第である。仍て本稿では治療方面及び生化学的方面には触れない。
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