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耳かき商売
pp.103
発行日 1954年3月20日
Published Date 1954/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201091
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観音で耳をほらせてほととぎす 其角 其角の詠んだ耳かきの句である。世の中が泰平になると,のんびりした商売も出るもので,元祿時代に現われた耳のアカ取りもその一つである。
現われ出たこの耳かき長官は,この当時の第一人者。神田紺屋町に住み,江戸惣鹿子にも「神田紺屋町の耳のアカ取り長官」と出ている。神田つ子だといわれるが,当時の俳書には,唐人越九兵衛の名が見られ,唐人であつたかも知れない。大体耳ホリは大陸の人に上手な人が多いといわれる。
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