抄録
日本醫科大學耳鼻咽喉教室月例抄讀會
野本 耕一郞
pp.495-497
発行日 1950年11月20日
Published Date 1950/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200430
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Pressure changes and barotrauma resulting from decompression and recompression in the middle ear of monkeys. [Hsiang-Tung Chang ft 2 $, Arch. of Oto. Vol.51, No.3 (1950).
猿を用いて減圧及び復圧の際の中耳圧の変動を直接に測定し写眞に記録した.ゆつくり(1分間50mmHg)減圧すると中耳の相対的陽圧により耳管は受動的に開通し,外圧より稍高い値(平均20mmHg)で閉鎖する.更に減圧すると又開く,即ち週期的に開通する.しかし減圧の速度が大きいと週期的に開通しないで,中耳陽圧は一旦減圧前後の圧の差に近く急激に増加し,それから外圧と等しくなる.
復圧の際には麻酔された猿では耳管が受動的に開通されない.それで中耳の陰圧は復圧の巾だけ増大し,しばらくして外圧と等しくなる.無麻醉の猿では能動的に耳管を開き外圧と等しくすることが出來たが,之も復圧の速度が大きいと開く‘ひま’がなかつた.
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