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貧血を伴なう嚥下困難について—プラマー・ヴインソン氏症候群
牟田 實
1
1大阪大學醫學部耳鼻咽喉科教室
pp.137-138
発行日 1949年3月20日
Published Date 1949/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200158
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緒言
器質的な變化のない嚥下困難は屡々放任されがちである.その中で最近經驗した貧血を伴なう嚥下困難について1症例を報告すると共に,その症候群についての解説を試みることにしよう.
この症候群はPlummer Vinson氏症候群と呼ばれ.殆んど常に中年の婦人におこり男子には極めて稀にしかみられない.その最も重要な臨床所見としては,先づ低色素性貧血(Hypochromic anemia),嚥下困難(Dysphagia)の2つが擧げられる.更に之に伴なうものとして,舌及び口腔粘膜の退行變性,滑らかな舌(Papillae filiformesが消失する),口角の裂創,早期における齒牙の脱落,匙状爪(Koilonychia),脾臓の腫大等がみられるが,必ずしもその全部が揃つてゐることは限らない.次に述べる私の症例もこれらの髓伴症状は著明でない.
A case was reported on a 40 years old housewife developed Plummer-Vinson syndrome with Erythropenia was cured by administration of iron.
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