Japanese
English
原著
Behcet病に伴なった上大静脈症候群
A Case of Superior Vena Cava Syndrome Following Behcet's Disease
菅原 信
1
,
山崎 雄一郎
1
,
西川 武二
1
,
北村 啓次郎
1
,
籏野 倫
1
Makoto SUGAWARA
1
,
Yuichiro YAMAZAKI
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Keijiro KITAMURA
1
,
Hitoshi HATANO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.549-554
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201919
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
34歳,男.顔面,頸部,前胸部の浮腫性腫大および項部,胸部の絞扼感を主訴として来院.臨床的に上大静脈症候群と診断し,その原因を検索した.肺腫瘍,縦隔腫瘍あるいは大動脈瘤など外部から上大静脈を圧迫する所見は全く認めなかったが,静脈造影の結果,上大静脈への血流は両側とも鎖骨下静脈部にて完全閉塞し,上大静脈は全く造影されなかった.一方,経過中に再発性口腔アフタ,多発性毛嚢炎,皮下血栓性静脈炎あるいは副睾丸炎などBehcet病を疑わしむる臨床症状が出現し,その診断基準に照らして疑い例の域を出ないものの,これまでの文献報告を併せ考え,自験例をBehcet病に伴なった血栓性静脈炎による上大静脈症候群と診断した.今後,眼症状,外陰部潰瘍の出現,皮膚症状,さらに食道静脈瘤破裂その他による消化管出血の予防に充分なる配慮を要すると思われる.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.