文献紹介
爪の黄変とリンパ水腫と胸水,他
pp.1181
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204504
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慢性リンパ水腫に由来する慢性胸水の3症例について述べる。今まで胸永の原因として慢性リンパ水腫をあげたものはない。1963年に著者らは初めてこのような症例を報告した。その後Hurwitzら(1964)が胸水とリンパ水腫のある2例について記載している。これは胸腔をdrainする淋巴管の欠損によるものである。さらに指趾爪の黄変を伴う場合がある。
例1 女,幼時より下肢の腫脹に気づき,顔面や手背におよんだ。時々気管支喘息の発作があつた。31歳の時,呼吸困難があり,両側に胸水が溜り,以後胸腔穿刺を繰返した。胸水は清明で淋巴球を主とし蛋白含有量は4.5-5g/100ccで悪性細胞はなかつた。35歳の時,胸水中に結核菌を検出したので,SM,INAHで治療したが,臨床症状は改善されなかつた。
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