特集 環境衛生の動向
黄害の実態
古川 元
1,2,3
1国労
2元尼崎市衛生局
3元豊中保健所
pp.383-388
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203908
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黄色い霧の降る国土
公害は社会的議題として私たちの日常生活の中の根深くはいり込んできました.高度経済成長のあおりを受けて(?)社会機構の変革は生活構造や消費構造に大きな変化をもたらし,農業の近代化は化学肥料を使用することになりました.そして一般の公衆衛生知識は急速に高まってきたのですが,国鉄列車の糞尿タレ流しは100年間もそのままです.
"汽笛一声新橋を早や我が汽車は離れたり"という鉄道唱歌が流行した明治初年当時といささかも変わっていないというから驚いたものです.その野蛮で不潔きわまる汚物放出は東京大阪間500kmの新幹線を除いた全長2万4000kmの国鉄沿線の上に毎日昼夜兼行でぶち撤かれているわけです.
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