Japanese
English
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皮膚炭疽病の3例
THREE CACES OF CUTANEOUS ANTHRAX
高橋 俊雄
1
,
倉田 譲
1
,
牧野 好夫
2
Toshio TAKAHASHI
1
,
Yuzuru KURATA
1
,
Yoshio MAKINO
2
1東北大学医学部槇外科教室
2東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Surgery, Tohoku University School of Medicine
2Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.1171-1176
発行日 1966年11月1日
Published Date 1966/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204502
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I.はじめに
炭疽病(脾脱疽)は,元来家畜特に馬,牛,羊,山羊,豚などの間に広く流行する急性伝染病であるが,人間にも,これらに接触する者並びに羊毛,皮革取扱者に,稀に昆虫の媒介により感染する疾患である。本疾患はすでにギリシア詩人ホーマーの叙事詩にもみられるといわれ1),古代よりしばしば小流行がみられた。わが国でも,かつては全国に亘つて散発していたが2),最近は本症の詳細な報告は比較的少ない。われわれは最近,岩手県の食肉業者に発生した皮膚炭疽病3例を経験し,その臨床経過,菌の培養,治療についてやや詳細に観察し得たので報告する。
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