文献紹介
猩紅色菌感染症,他
pp.894
発行日 1966年8月1日
Published Date 1966/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204444
- 有料閲覧
- 文献概要
本報告はコペンハーゲンにあるフインゼン研究所皮膚科からのものである。デンマークにおいて第2次世界大戦後,猩紅色菌感染症の頻度は増多の一途をたどつたので,1961年から1964年まで本症について詳しく調べてみた。この4年間の本症患者は240名で,白癬患者総数の40%に当たる。そのうち男子156名,女子84名で,性別頻度の差異は明瞭である。最も多く侵された部位は足で,男女共に86%を占めていた。この患者の半数は趾爪感染を生じており,その頻度は女子が男子の2倍を示していた。そして両性ともその罹患頻度は年齢が多くなる程,高くなつていた。男女ともに手も多く侵されたが男子に頻発したのは陰股部の変化であつた。女子においては下腿の肉芽腫性毛嚢炎が特異の病変であつて,凍瘡を有する婦人に生じ,男子においては全くみられなかつた。広汎な病巣を形成した患者は74例あつた。頭部白癬は1例もみなかつた。猩紅色菌はインドにおいては頭部白癬の通常の原因菌で,足から分離されることはまれであるといわれるが,ヨーロッパにおいては生毛部と爪のみを停すようである。
Niels Rosman:Infections With Trichophyton Rubrum, Brit. J. Dermat., 78;208, 1966.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.