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1957年痙性麻痺と精神薄弱および定常的ではないが網膜変性を合併した先天性魚鱗癬の28例をSjögrenとLarsson(以下S.& L.)が記載した。以来この症候群は各国から報告されているが,皮膚科的所見を含むものは2つのみである。著者らはVästerbottenからの追加4症例とCaliforniaから2例,S.& L.が既に報告した4例について臨床的,組織学的に皮膚科的検索を加えた。現在まで報告された症例の男女比は同胞に発症したもの16組,血族結婚は13家族中8。S.& L.が検索した2人の姉妹の皮膚所見はcongenital ichthyosiform crythrodermaと診断され,生検によりcongenital ichthyosisかichthyosiform erythrodermaが考えられた。その後の報告は皮膚科的所見を確言するには患者数が不充分である。著者らの検索によると,全身性に魚鱗癬がみられ,腋窩や四肢屈側に著明で,潮紅は中等度にみられるが殆んどないものもあり,頭髪は正常かややうすく,発汗を欠く。組織学的に角質増殖,有棘層肥厚,乳頭腫様増殖,顆粒層減少あるいは欠除,汗腺の減少,血管周囲の細胞浸潤が認められた。著者らはこれらからcongenitalichthyosiform erythrodermaの非水疱型と考えた。知能障害は生後1年位で気付かれ,IQは30以下が多い。癲癇の合併もみられる。染色体の異常は認められなかつた。Heijer, A. and Reed, W. B. : Sjogren-Larsson Syndrome, Arch. Dermat., 92 ; 545, 1965
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