Japanese
English
研究と報告
Sjögren-Larsson症候群の1例
A Case of Sjögren-Larsson Syndrome
兼谷 俊
1
Takashi Kanaya
1
1太田綜合病院精神神経科
1Dept. of Neuro-psychiat., Ota Hosp.
pp.859-863
発行日 1967年11月15日
Published Date 1967/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201263
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I.はじめに
1955年Sjögrenは,北スエーデンの精薄施設で,魚鱗症,高度ないし中等度の知能障害,Little型の脳性麻痺を合併している5例をみ,これを報告した1)。この後,精薄施設および脳性麻痺患者の入園施設などにおける全国的調査から,患者およびその家族を含めて約3,000人を検診,死亡例を含めて同様の合併症をもっ28例を発見し,Larssonの臨床的協同研究から,本症をSjögren-Larsson症候群として発表した2)。以来,本症についての二,三の報告はあるが,わが国ではまだ1例も報告されていない。ここに報告する例は,3歳時から先天性脳性麻痺として扱われてきた男子例で,整形外科的手術前の検査の一つとして,脳波検査を依頼されたものであるが,精神薄弱のほかに魚鱗症様皮膚病変があつたため皮膚科に紹介したところ,本症を疑われ,検査検討の結果,木症と診断したものである。今回は本例にみられた臨床症状,一般検査所見,脳波所見および類似疾患との差異などについて述べてみたい。
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