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当病院はストックホルム市(人口約百万)の北端にあつて各外来,病室毎に棟が分かれておりますが,これらは凡て地下道で連絡しています。総病床数は1,725といわれています。皮膚科は正門から右側の6階建の建物で,地上に写真室,理学療法室,1階に外来,2階に教授,講師,事務室及び病室,3階に病室(女子及び小児)4階にアレルギー外来及びその研究室,5階研究室及び病室,6階病室及び研究室(男子)となつていますが現在5,6階の病室は看護婦の不足で閉鎖中です。人員は医師はProf. Hellerström以下12名,(内講師4名)看護婦25名,其他約10名(写真,組織標本,抗元作成係受付等)です。
診療面について……外来は男子及び女子外来に分かれ,夫々2名の医師が新患,再来共診察を行つています。受付8:00〜12:00AM。概ね1医師30〜40名ですから,一日外来患者は120〜160名でしようか,患者の大部分は湿疹と乾癬で,其他淋疾が毎日数名おります。湿疹の過半数は下腿の所謂StasisdermatitisのTypeで,その他Prurigo Besnier型のアトピー湿疹というべきものです。淋疾を皮膚科で取扱うのは北欧の特色のようですが,凡て培養しペニシリン療法を行つています。しかし中には非淋菌性のものも中々多く,2〜3ヵ月に亘つて徒らにペニシリン注のみをくりかえしているのがいますが,こんな例は放置するか或は尿道洗浄でもと考えても彼らは洗浄の道具はもとよりこの知識を持ち合わせていないようです。病室は男子共大部屋3(8人宛),小部屋3ですが大部空いており,小児病室はすべて大部屋です。Pyodermia gangraenosa,psorjasis Arthropathica,Kerion Celsi,systemic Candidiasisが夫々一名宛入院している以外,湿疹,乾癬でその療法に特別注目すべきものはありません。只々限局性の湿疹乾癬にBucky rayの効果を相当高く買つているように見うけました。病室廻診は夫々担当の講師が週2回行います。Prof. Hellerströmは特に彼を指定した患者のみ診察する他毎日正午,各担当医から指示を仰がれたCaseのみ診察し其後で皆で色々討論しています。
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