Japanese
English
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20%MANNITOL(マニトンS)の利尿効果について
DIURETIC EFFECT OF THE TWENTY PER CENT MANNITOL
川井 博
1
,
近喰 利光
1
,
中神 義三
1
Hiroshi KAWAI
1
,
Toshimitu KONJIKI
1
,
Yoshizo NAKAGAMI
1
1日本医科大学泌尿器科教室
1Department of Urology Nihon Medial College.
pp.1103-1107
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203923
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I.まえがき
Mannitolが利尿剤として腎機能不全疾患に用いられたのは既に古く,1941年Newburgh及びCurtis等は急性腎炎に起因する浮腫に用いて有効であった事を報告している。その後1945年にはSelkurtにより腎阻血に原因する腎機能低下の予防に有効である事が確認されている。泌尿器科領域ではGoodwin,Scott(1951)等により経尿道的前立腺摘出時に見られる。Lower nephron nephrosisの予防に3%のMannital灌流液が有効である事も報告されている。この様にMannitolの利尿効果は古くから知られており乍ら臨床面では余り利用されていなかったが,最近Mannitolによる腎組織のOsmolality変化が,腎Countercurrent multiplier系を究明する一手段として利用される様になると共に本剤の利尿効果の本態も種々論ぜられて一般の注目する処となりつつあるのが現状である。
我々は杏林製薬より20%Mannitol製品,マニトンSの提供を受けその利尿効果検索のため泌尿器科的疾患にて入院せる患者10名について各種疾患の手術後にマニトンS投与を試みその利尿効果,投与前後の血中,尿中電解質の動態について観察したのでその成績について述べる。
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