Japanese
English
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皮膚疾患に対する4-Amino-5-imidazolecarboxamideorotate(Aica-orotate)の効果について
THE EFFECTS OF 4-AMINO-5-IMIDAZOLECARBOXAMIDE OROTATE (AICA-OROTATE) FOR THE TREATMENT OF SKIN DISEASES
福井 清美
1
Kiyomi FUKUI
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Hokkaido University
pp.933-939
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203612
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I.緒言
生体内における諸種物質代謝の異常過程が,程度の差はあれ,皮膚に反影されるということは今日皮膚科領域では一般的に認められた事実である。古来皮膚疾患と内臓,特に肝との関係は,肝機能が内因性皮膚病変の最大要因として注目され多くの人々によつて研究,報告されて来た。今日では両者の関係が次第にその全貌を明らかにされつつある。
すでに周知のごとく,1937年Urbach1)は肝の機能的あるいは器質的障害と皮膚疾患との関連について,1)肝疾患又は肝機能障害が皮膚疾患の原因となる場合,2)皮膚疾患が肝障害を結果する場合,3)肝障害と皮膚疾患が同一病因の共存的症状である場合,の3点をあげ,肝の物質代謝不全がアレルギー準備性を導き,諸種の皮膚疾患を惹起するとしたが,1944年三宅2)もこれらの関係について,1)内的異常が皮膚病変の原因的要約と見られる場合,2)皮膚病変が原因的要約とする内的異常,3)皮膚病変と内的異常とを共に1つの原因的要約を母地として発来した部分現象とみられる場合,4)両者は全然因果的につながりのない偶発現象とみられる場合の4点をあげて説明している。
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