Chromoblatomycosisの1例

A CASE OF CHROMOBLASTOMYCOSIS

I．緒言

　黒色真菌族感染によるChromoblastomycosisの主症状は皮膚慢性肉芽性炎症であるが，まれに内臓へ転移することがある。我が国でもすでに4例の内臓転移例の報告がある^1）。その臓器は殆んど脳であるが，笹野氏^3）は剖検例で肝転移を発見し本症の肝転移の第1例を報告した。しかし菌の同定は行なわれていない。私達は皮膚に病変を認めず，胆汁およびリンパ腺生検標本よりHormo-dendrum pedrosoiを分離同定し，生存中に本症を診断，肝針検により肝転移を確認した1例を経験したので報告する。