Japanese
English
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臙脂色菌様コロニーを呈した白癬菌について
A TRICHOPHYTON SPECIES, WHICH DEVELOPED T. COCCINEUM-LIKE COLONIES
松崎 統
1
Osamu MATUZAKI
1
1国立別府病院皮膚科
1Department of Dermatology, Beppu National Hospital
pp.693-696
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203558
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I.はじめに
臙脂色菌T.coccineum Kato 1926は1926年加藤1)が長崎において9歳男児の頭部浅在性白癬よりはじめて分離し,続いて頭部浅在性白癬4,小水疱性斑状白癬3,汗疱状白癬,爪白癬よりそれぞれ1の計10株をえてT.rubrumよりわけてT.coccineumと命名し新種として報告した。その後本邦各地より分離され報告が行なわれている2)3)4)5)。しかしOta,et Kawatsuré6)は本菌の独立をみとめずT.rubrumに編入した。海外においてもT.coccineumはT.rubrumの異名として記述しているのが現状である。本菌が分離されたもつとも新しい報告は1941年で,楊5)が台湾における白癬調査を行なつた報告中にみられるものでT.coccineum 24株およびT.coccineumvar.Yoh 2株が記載されている。その後本菌を分離した報告はない。著者は最近T.coccineumに類似するコロニーを呈した白癬菌1株をえたので検索を行なつた。
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