Japanese
English
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皮膚癌に対する60Co照射療法の検討
THE USE OF TELECODALT IN THE TREATMENT OF SKIN CANCER
石田 啓
1
Kei ISHIDA
1
1県立ガンセンター新潟病院皮膚科
1Dermato-logic Dept. of Prefectural Cancer Center, Niigata Hospital
pp.501-507
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203520
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I.はじめに
最近になつてRadioisotope (RIと略す)が医学的に応用されるようになつてから,診断並びに治療の面で画期的な改革をもたらし,X線やラジウムで出来なかつたような治療法も可能となつた。またRIによつてラジウムの遠く及ばなかつたところの大量遠隔照射などが行なわれるようになつた。皮膚科領域においてもβ線による皮膚表在治療,ラジウムに代る60Coなどを用いてのγ線照射による治療法が盛んに行なわれている。これらはいずれも60Co針,32P,90Sr,137Csなどの少量を血管腫,色素性母斑などに貼布しての療法にすぎない。これに反して深刻なる皮膚癌などの腫瘤に対して,深達性のある大量の60Coの遠隔照射療法を試みた報告は,現在までに余り見受けられない。
ところで私は今回,県立ガンセンター新潟病院に60Coの東芝製RI 107型(最大充填量3000キューリー)の器械を装置することができ,これを深刻なる皮膚癌の2例に照射治療することができた。その各々の症例についての照射治療の経過を追つて観察し,その効果などについて2,3知見を検討することができたので報告する。
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