文献抄録
前立腺癌に対する60Co照射療法/急速細菌感受性検査法の応用
pp.293,301
発行日 1969年4月20日
Published Date 1969/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200654
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著者らはCalifornia,San Diego海軍病院において1959年以来,前立腺癌を60Co照射により治療して好成績をえてその結果を報告している。照射方法については既にJ.U.93,102〜109,1965に詳細に報告されているが,恥骨の中心に照点をおき前後両方向より照射する。照射門の大きさは前立腺癌の進展度に応じて加減する。照射線量は週5ないし6回で前後より交互に1日150radsを与え,総量として10ないし11週間に6000から7000radsを照射する。被膜外に浸潤のあるⅢ度(StageC)の症例についての治療成績をみると60Coによる5年生存率は73名の治療で54%,外科的手術では418名で15%(Flocks,Euettら)抗男性ホルモン療法では1467名で34%(Floks,Mac Donaldら)となつており,5年生存率は60Co超高圧照射療法が最も良い結果となつている。次に60Coで治療されたStageAおよびBの患者8名について見ると,観察期間は1年から4年半の症例であるが,8名中7名は照射後生検および触診で癌所見は全く認められなくなつている。StageAとBについては根治的手術が最も良い治療法と考えるが,全身状態が手術に適さない者,手術を希望しない症例には放射線治療も適応と考えられる。
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