Japanese
English
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類肉腫様構造を示す皮膚病変についておよびその発生機序について
HISTOLOGICAL SARCOID-LIKE STRUCTURE IN THE LESIONS OF SKIN DISEASES.
鴻巣 道雄
1
,
徳重 隆幸
1
Michio KONOSU
1
,
Takayuki TOKUSHIGE
1
1都立駒込病院皮膚科
1Derrnatological Clinic, Komagome Hospital
pp.825-830
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203355
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I.緒論
生体に異物や細菌が侵入すると,これに対する組織反応形態の1つとして,屡々肉芽腫形成が見られることが知られている。この場合に,結核,梅毒,癩,寄生虫,ウィルス等に見られる特異的肉芽腫とは別に,細菌乃至細胞崩壊物,有機物,無機物などの異物によつて,組織学的に非特異性の,且つ類肉腫症のそれと区別し得ない類上皮細胞肉芽腫,即ち類肉腫様構造を示す病変が生ずることも知られている。
著者等1)はさきに,この様な類肉腫様構造を示す肉芽腫の形成される場合の一つとして,顔面播種状粟粒性狼瘡の所見について報告を行なつたが,その後当院皮膚科における組織標本を検討したところ,その他にBazin氏硬結性紅斑,酒渣性痤瘡,慢性膿皮症,非細菌性の異物,炎症性粉瘤の場合にも,屡々病理組織学的に類肉腫様構造がみられることがわかつた。
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