Japanese
English
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パラメサゾンによる皮膚疾患の治療について
PARAMESONE (PARAMETHASONE) IN THE TREATMENT OF SKIN DISEASES
笹川 正二
1
Shoji SASAGAWA
1
1東京大学医学部皮膚科
1Dept. of Dermatology, Faculty of Medicine, Tokyo University
pp.301-305
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203254
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副腎皮質ホルモンはコーチゾンにはじまつて最近10数年間にハイドロコーチゾン,プレドニソン,プレドニソロン,メチルプレドニソロン,トリアムシノロン,デキサメサゾンと相次いで改良され,その効果は一層強くなり,且つ副作用の少い製剤が生みだされたが,今回田辺製薬株式会社から提供されたパラメサゾンはメキシコSyntex社でつくられた新しい副腎皮質ホルモンで,化学的には16α-methyl-6α-fluoro-prednisolone 21-acetateで,ハイドロコーチゾンの50〜60倍の抗炎症作用を有する強力な副腎皮質ホルモンとして注目されて,既に米国に於ては内科領域で臨床成績が報告されている。
副腎皮質ホルモンは従来のものは鉱質及び糖質代謝に影響が強く,時に副作用の原因となるが,パラメサゾンはナトリウム,カリウム代謝への影響が少く,糖質,窒素代謝には殆んど変化を見ず,肝機能にも影響を与えず,末梢血液中の白血球数および多核白血球の僅かな増加と好酸球の減少を示すに過ぎないとされ,それにも拘らず抗炎症作用は著しくて実験的にハイドロコーチゾンの50〜60倍,臨床成績でもプレドニソロンの2.5〜6倍の効力が認められており,皮膚科領域ではアトピー性皮膚炎,湿疹,蕁麻疹,紫斑,急性紅斑性狼瘡で効果が認められている。
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