Japanese
English
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腎腫瘍に起因せる腎嚢胞の1例
A CASE OF THE CYST IN RENAL TUMOR
石田 初一
1
,
能中 陽一
1
,
藤村 誠
1
Hatsuiti ISHIDA
1
,
Yoichi NONAKA
1
,
Makoto FUJIMURA
1
1北海道大学医学部泌尿器科教室
1Dept. of Urology, Hokkaido University, School of Medicine
pp.855-859
発行日 1960年10月1日
Published Date 1960/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202912
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緒言
腎に発生する嚢胞には,嚢胞腎の他に,単純性嚢胞(孤立性,単房性,多房性),腎盂性嚢胞,腎孟周囲嚢胞,腎周囲嚢胞,等色々の形式のものがあり,又他の腎病変に続発する二次的嚢胞(腫瘍,炎症,結石,通過障害,寄生虫等)もある。
何れも,その発生機序に就いては異論も多く今日なお不明の点が少くないが(Powell 1951,Clarke 1656),このうち単純性腎嚢胞の発生機序に就いては,嘗ては胎生発生異常に基くと云う先天性説が有力であつたが,Hepler (1940)の実験(腎乳頭部閉塞と共に腎血流部分的遮断を行うと嚢胞形成がみられる実験)以後後天説の方がより有力視されて来た。彼の説を押し進めると,腫瘍により二次的に単純性嚢胞が形成される場合も考えられる訳である(Gibson 1954)。
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