Japanese
English
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青森県南・北津軽郡地方周辺にみられたる野兎病について
ON THE TULARAEMIA IN AOMORI PREFECTURE
宇野 広治
1
,
玉井 定美
1
,
梅原 裕
1
Hiroharu UNO
1
,
Sadami TAMAI
1
,
Yutaka UMEHARA
1
1弘前大学医学部第一病理学教室
1Department of Pathology, Faculty of Medicine, Hirosaki University
pp.581-583
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202851
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I.緒言
最近約10年間,当教室に検査を依頼された材料のなかで,臨床病歴,組織像から野兎病とみてよい症例は16件である。これらを纒めてみると,当教室の所在からみて当然ではあるが,青森県の南・北津軽郡を中心とした地方から送付された材料である事を知つた。即ち,青森県南津軽郡,北津軽郡,弘前市および秋田県北秋田郡,大館市を含む地帯から送られた材料中に見出された。最近,弘前市一の渡山麓で野兎を捕獲,料理した患者について,腫脹した淋巴腺の組織検査と細菌,免疫学的検査を行う機会を得,その結果,組織学的並びに細菌・免疫学的に野兎病であることが確かめられた1)。この成績から,以前より疑問視された症例を再検討してみると断定してよいものが多い。また県病内科2)でも,一の渡にて捕獲した野兎と接触した野兎病の患者2例を昭和34年春弘前医学会で発表している。またこれらの症例は殆んど潰瘍淋巴腺型のものである。以上の事から,当地方の野兎病の発生を,検査材料を中心にして考えてみたい。
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