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I.緒言
夜尿症,遺尿症等の名称で呼ばれる所謂寝小便については国外,国内を通じて多くの研究がなされておりその分類も種々で一定していないようであるが,膀胱及び尿道の異常及び膀胱支配神経などに器質的な変化を証明し得る器質性夜尿症Organic enuresisとそれらになんら器質的因子をみない真性夜尿症True enuresisとに大別することができる。前者は自らその治療方向が決定せられるものであるが,後者は難治性のものでその治療に当惑さえ覚えるものであり,私がここにその報告の対象として選択したものである。
この真性夜尿症はその原因として神経病学,小児科学,泌尿器科学的立場から直接或いは間接に多くの事象が述べられているが未だ明確なる原因説を見出し得ず,結局有効適切な治療法も存在しないと言うことにもなる。この時に当り,私は我が教室を訪れた夜尿症患者のその後の状態特に治癒率及び完全治癒の時期や年齢及びその他治癒状況を知る必要があることを痛感し,今回,我が教室に於ける過去6年間の夜尿症患者のその後の状態を調査したのでここに報告する。
There is no reliable method of therapy for enuresis, the cause of which still remains obscure in spite of many reports.
By examining the answers of 45 persons (40 .2%) of total 112 patients with enuresis duri-ng six years from 1954 to 1958 in our dep-artment, the effectiveness of various treatm-ents in investigated were as follows :
1) All treatments of enuresis are not positi-vely reliable.
2) The frequency of enuresis gradually decreases after puberty.
3) The disease is more often seen in the male than in the female.
4) Even in winter, this disease is not always frequent.
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