Japanese
English
--------------------
膀胱エンドメトリオーゼについて
ON THE ENDOMETORIOSIS OF THE BLADDER
石津 俊
1
,
巾 拓磨
1
,
浦辺 清道
1
,
松田 イツ子
1
S. ISIZU
1
,
T. HABA
1
,
K. URABE
1
,
I. MATUDA
1
1東邦大学皮泌科教室
1Department of Dermatology and Urology, School of Medicine, Toho University
pp.425-431
発行日 1959年5月1日
Published Date 1959/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202541
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
所謂エンドメトリオーゼとは性的に成熟した婦人に於いて,子宮内膜と同一或いは極めてこれと類似の腺組織が異所性に子宮内膜以外の組織又は臓器に発育増殖し,その組織は月経周期に伴つて子宮粘膜に於けると同様の変化,即ち前半期に於いては濾胞発育ホルモンの刺激により組織の増殖をおこし,後半期では黄体ホルモンの影響によつて細胞の分泌過多を見,月経時には出血を伴う細胞の脱落をおこし,その結果臨床的に種々の症状を呈する疾患を総称している。
Sampson,Polster等によれば,本症は女子生殖器に発生するものが圧倒的に多くてその報告も多いが,性器以外に発生することは比較的少い。とくに膀胱に発生することは稀とされ,Polsterは内膜症の1000例中に5例を認め,Seitzは内膜症の約5%に発生すると述べている。そして膀胱エンドメトリオーゼはStarr-Judd(1921)が第1例を報告したのが嚆矢であり,Müller(1927)は本症の膀胱鏡検査所見について詳述している。又Ottow(1929)は16例を蒐集しこれに自験2例を追加,これらを比較観察しその本態,診断並びに治療に関して詳細な記載を行つている。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.