Japanese
English
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残存尿管及び膀胱に転移再発せる腎盂乳頭状癌の2例
TWO CASES OF PAPILLARY CARCINOMA OF RENAL PELVIS METASTASIZED TO RE-MAINED URETER AND BLADDER
柏木 正業
1
,
須山 敬二
1
,
蔡 衍欽
1
M. KASHIWAGI
1
,
K. SUYAMA
1
,
E. SAI
1
1名古屋大学泌尿器科
1Department of Urology, School of Medicine Nagoya University.
pp.1178-1182
発行日 1958年11月1日
Published Date 1958/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202398
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緒言
尿路腫瘍は我々泌尿器科領域に学ぶものにとつて,屡々遭遇する疾患であるが,その中尿管に発生する腫瘍は比較的稀なものであるが腎及び膀胱に於ける腫瘍と同様に悪性度が強い。臨床症状の3徴候と云われる血尿,腫瘤触知,疼痛はHerger,Sauer等の報告例にもある様に,其の発現は極めて遅い場合があり,而も自覚症状が現われて来る時は,原発集は殆んど総ての例に於て相当に進行した場合が多い。其故に手術は極めて困難を生ずる事があり,術前既に転移している事も稀ではない。今日我々が報告しようとする症例の第1は,昭和26年当科にて腎盂乳頭状癌の診断の下に腎摘出術を受けた患者で,6年後に残存尿管及び膀胱に同様な乳頭状癌を生じた例である。第2例は昭和26年当科にて腎盂乳頭状癌の手術を受け,2年後尿管及び膀胱に転移再発を生じた例である。
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