Japanese
English
泌尿器科図譜・84
興味ある腎膀胱結核の3例
Three Cases of Renal and Vesical Tuberculosis
浅井 明
1
,
荒井 秀雄
1
,
池田 直昭
1
,
臼井 紀一
1
Akira Asai
1
,
Hideo Arai
1
,
Naoaki Ikeda
1
,
Kiichi Usui
1
1慶応大学泌尿器科
pp.235-236
発行日 1958年3月1日
Published Date 1958/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202202
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興味ある腎膀胱結核の3例
近年結核治療剤として,SM, PAS, INAH等による化学療法の発達により,泌尿器科領域における腎膀胱結核の症状,経過等も従来の慨念にあてはめ得ないものが屡々認められる様になつてきている。最近この様な特異的な症状及び経過をみとめた腎膀胱結該の3例を経験したので,そのPyelogramを紹介する。
第1例(第1,2図)は41歳の女子で,32年6月以来高熱及び右下腹部痛をみとめて来院したもので,尿所見に著変なく,右腎部に小児頭大腫瘤を触知すること,及び逆行性Pyelogramにて腎上極部の腎杯像は明らかなるも,下極部の不明なることより腫瘍の疑をもつて剔出を施行した所,小空洞性結核病巣が散在し,周囲に線維性増殖がみとめられ,腎周囲炎著明で一部壊死状となり多数の桿菌を証明せる膿瘍を形成していた。本症は術後一般状態の著明な改善をみとめ現在SM, PAS療法施行中である。
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