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特集 小児の皮膚泌尿器科疾患
小児泌尿器腫瘍—腎腫瘍・睾丸腫瘍
RENAL AND TESTICULAR TUMOR IN INFANCY AND CHILDHOOD.
楠 隆光
1
Takamitsu Kusunoki
1
1大阪大学
1Osaka University.
pp.1313-1319
発行日 1957年12月16日
Published Date 1957/12/16
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202151
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小児期の悪性腫瘍の発生部位として,泌尿性器はおもな部位の一つである。Dargeon (1948)の報告によれば,1921〜1947年間にNew YorkのMemorial Hospitalの小児科で取扱われた14歳未満の小児の癌腫506例に就いて見ると,泌尿性器癌は34例で,骨,造血並びに淋巴組織,筋肉,脂肪並びに神経から発生した末梢部肉腫,及び眼及び眼窩に次で第5番目となつている。次に泌尿性器の範囲内の小児腫瘍に就いて考えると,臨床上大切なのは腎腫瘍と睾丸腫瘍とであつて,その他のものは非常に稀である。例えば,やや少数例の怨めはあるが,昭和25年2月から31年6月までの間に新潟大学泌尿器科教室に於いて取扱われた15歳未満の小児入院患者の117例について見ると,腫瘍患者が8例で,そのうちの7例が腎腫瘍であり,残りの1例が睾丸腫瘍であつたことは(宮坂),この間の事情を雄弁に物語つている。そこで,ここに私は,小児泌尿器及び性器腫瘍の代表として,腎腫瘍並びに睾丸腫瘍に就いて述べて見る。
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