Japanese
English
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右腎結核兼左腎杯憩室結石の1例
A CASE OF RIGHT RENAL TUBERCULOSIS AND LEFT CALYCEAL DIVERTICULUM WITH CALUCULI
山際 義秀
1
,
大越 隆一
1
Yoshihide Yamagiwa
1
,
Ryuichi Okoshi
1
1青森県立中央病院泌尿器科
1Department of Urology, Aomori Prefectural Center Hospital.
pp.903-907
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202069
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腎杯憩室とは腎杯の末梢外側に位置し,これと接して極く細い墜道によつて小腎杯と交通している空洞で,大小腎杯の拡張はなく,憩室腔は尿で充されて居り,その内壁は腎盂腎杯のそれと同じく数層の移行上皮で蔽われているものをいう。固有の症状がないので,合併症に対するレ線検査によつて偶然に発見される比較的稀な疾患である。而してその成因に就いては従来疑義が多く,報告者によつて異つた観点から種々な名称が与えられている。このことは何人も混乱するらしく,Pratherはこれ等のものを纒めて同一疾患と見做すことの困難,又文献渉猟の不便を歎いている。
Rayer (1841)がKystes urinairesなる名称で記載して以来Yow and Bunts (1956)は82例の本症に属する症例を蒐めている。本邦では市川一谷野(1938)が先天性腎盞憩室と命名報告して以来,我々の症例を含めて14例に達している。そこで本邦報告例に就いて統計的観察をなし,併せてその用語,成因に就いても文献上より考察を加えてみたいと思う。
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