Japanese
English
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円形脱毛症の諸種薬剤による局所注射治療の経験
COMPARISON OF SOME MEDICINES TO THE TREATMENTS OF ALOPECIA AREATA WITH THE LOCAL INJECTION
神村 瑞夫
1
,
川原 昭夫
1
,
井村 春光
1
Mituo Kamimura
1
,
Akio Kawahara
1
,
Harumitu Imura
1
1札幌医科大学皮膚泌尿器科
1Department of Dermatology and Urology, Sapporo, Medical College
pp.561-563
発行日 1957年7月1日
Published Date 1957/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201994
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円形脱毛症に関する記載はCelsus以来極めて多数の業績があるが,その原因は今日未だ確実に闡明せられていない状態である。しかし本症に伴う諸変化としては,主として悪性脱毛症に強調されているのではあるが,植物神経系機能の不均衝1),淋巴球,好酸球増多を主徴とする血液像の変化,肝障碍,尿中の17-Ketosteroidの増加,Thorn's Testの変化,尿中エストロゲンの減少等の内分泌障碍,精神神経障碍等があげられている。これらの原因と随伴症状の多様性によりその治療方法も極めて区々であり,全身療法たると,局所療法たるを問わず多数の人々が無数の療法を提唱し,しかもその追試者を含めて多様区々の治療成績が報告されている。これは元来本症が自然治癒の傾向が極めて強い一方,その対象疾病の状態,治療開始時期等も他の疾患に比べて極めて区々であること,加えて実験者の治効判定基準の定かでないこと等によるものであろう。
我々は今回同一患者に4種の薬剤を異つた部分に皮内注射し,夫々異つた発毛状態を観察し得たので報告するとともに吾々の教室での局所注射療法による治療成績について記載する。
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