Japanese
English
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円形脱毛症に対するヒルドイド軟膏の使用経験
HIRUDOID OINTMENT IN THE TREATMENT OF ALOPECIA AREATA
高山 與四郎
1
,
田辺 與市
1
Yoshiro TAKAYAMA
1
,
Yoichi TANABE
1
1京都市中央市民病院皮膚泌尿器科
1Department of Dermatology, Kyoto Municipal Central Hospital
pp.273-276
発行日 1961年3月1日
Published Date 1961/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203022
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I.緒言
皮膚科領域において円形脱毛症はその診断は比較的容易であつても,治療の点になるとその本態が明確でないために困難を感ぜしめられる疾患の一つである。すなわちその原因について嘗つては病巣感染説が信じられ,現在でもなお栄養神経障害説,内分泌障害説などが採られており,最近ではさらにこれら種々の原因の総和によつて生ずる一つの症候群であるとみなす学者もある状態である。したがつて本疾患に対して現在行われている治療法も副腎皮質ホルモン剤,女性ホルモン剤,ビタミンB群,パントテン酸,セファランチン,グリチルリチン或いはアセチルヒョリン,ヘマトポルフィン,人工太陽燈など種々まちまちである。
しかし乍ら我々はさらにその本態の如何に拘らず,脱毛局所を刺激して充血を起しかつその血行を佳良ならしめることによつて,毛髪の栄養および発生を促進させることを目標として治療を行つた。すなわち従来の治療法と共に,局所治療剤としてヒルドイド軟膏(以下H.軟膏と略す)を試用して認むべき効果を挙げえたのでその経験をここに報告する。
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