Japanese
English
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梅毒性結節性紅斑の1例
A CASE OF ERYTHEMA NODOSUM SYPHILITICUM
野北 通夫
1
M. Nogita
1
1長崎大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, School of Medicine, Nagasaki University.
pp.554-558
発行日 1957年7月1日
Published Date 1957/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201993
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梅毒性結節性紅斑は1880年Mauriacが初めて"Erythéme noueux syphilitique"の名のもとに記載して以来,急性ロイマチ症状をもつて,時に第2期梅毒の早期,稀には晩期に,屡々他の梅毒疹に随伴して,結節性紅斑の好発部位に出現する同症に極めて酷似した皮疹として,これが果して梅毒と関係あるものか,或は両者は単なる偶然の併発に過ぎないものかが問題になつたもので,現在ではHoffmannの説によりその梅毒性が大体に承認せられ,彼の命名による"Erythema no-dosum syphiliticum"或は"nodöse Syphilide"の名で知られている疾患である。
梅毒に於けるこの種皮膚変化の発生例は本邦に於いても旧い文献中には,時にその報告に遭遇することはあるが,多くは病理組織学的検索を欠き,甚しきは全く護誤腫ではないかと疑われる症状さえ含まれており,臨床,病理両面より確実に本症であることを証明した症例は極めて少い様である。
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