Muco-cutaneo-ocular Syndromeの3例に就いて

THE THREE CASES OF MUCO-CUTANEO-OCULAR SYNDROME

緒言

　急性に発来し，全身症状を伴い，皮疹，眼，口腔，外陰部等の粘膜又は粘膜と皮膚の移行部に病変を有し，再発の傾向に富む一群の疾患について1876年Fuchsが初めて記載し，其後是に該当する疾患は多くの学者に依つて報告された。Behcet氏病，Reiter氏病，Steven-Johnson氏病，Ecto-dermosis erosiva pluriorificialis，Dermatosto-matitis Baader，Ery hema exsudativum mult．vegetans Herxheimer，Erythema bull．veget．Lipschütz，等色々な呼称を以て報告され恰も夫々独立した疾患で有るかの如き印象を与えるが是等は夫々著者が其の専門領域から記載したもので其の症例を詳細に吟味すると共通する点が勘くない所から現在で一応M．C．O．Syndromeと云うカテゴリーにまとめられて居る。最近竹内教授は是等症患群を皮疹の点から多型滲出性紅斑型，結節性紅斑型，膿皮症型と分類されて居るが我々の所で多型滲出性紅斑型に属すると思われる三つの症例を経験したので報告する。