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梅毒性Darier-Roussy型皮下類肉腫
川村 太郎
1
,
山田 實
1
1東京大學皮膚科教室
pp.177-179
発行日 1948年11月1日
Published Date 1948/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200115
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皮下類肉腫のこと、Jadassohnの廣本(1929-1931)では之を結核の項に扱ふと同時に、梅毒性類肉腫の項を設けて居り、Nouvelle Pratique Dermatologique (1936)では結核の項にPaut-rierが書いて居るが、梅毒に因るものも亦少くないことを強調して居る。大勢の趨く所、嘗て故太田先生(1940)の言はれた如く、皮下類肉腫はこれを一定の所見の名稱と見做し、それに結核性のものもあり、梅毒性のものもあるとするのが妥當であらう。
類肉腫の名はもと、肉腫に似ては居るが種々の點、殊にその良性である點で之と異る所のものに用ひられたものであるが、後には臨床的、肉眼的性状と共に寧ろ主として、後來Volkに依つて類肉腫性或は類狼瘡アレルギー性反應型(sarkoi-der od, lupoidallergischer Reaktionstypus)と呼ばれた所の、次の樣な組織像のものを爾く呼ぶ樣になつた。即ち血管殊にその外膜を出發點として、大きな、よく染まる核を有つた類上皮細胞の集團を生じ、それを僅かな淋巴球が包圍する。淋巴球は中心の類上皮細胞集團にも混り、そこには又ラングハンス型巨細胞も見られるが、乾酪化其他の破潰現象を缺くものである。
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