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ペニシリンが誘因と思われる急性播種状エリテマトーデスの2例
TWO CASES OF ACUTE DISSEMINATED LUPUS ERYTHEMATOSUS, PROVERBLY CAUSED BY PENICILLIN
寺田 稔
1
,
中島 啓雄
1
Minoru Terada
1
,
Hiroo Nakajima
1
1富山市民病院皮膚科泌尿器科
1Department of Dermato-urology, Toyama Shimin Hospital
pp.313-315
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201932
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I.緒言
エリテマトーデスは皮膚科学に於ては,その病因治療の面で古くより興味ある疾患であるが,近時膠原病の概念が導入せられ,それに関連して内分泌学の著しい発展をみるに従い益々注目を浴びるようになつた。
その発症病理に関しては今日尚混沌として定まらず,古くより結核説,梅毒説,連鎖球菌説があり,近年に至つてLE現象の発見に伴つて,アレルギー説をとなえる学者が多い。先之,偶然にも東西略々時を同じくして独逸のRost,本邦の伊藤教授が巣感染アレルギーの病因論を発表した。又伊藤は昭和29年春の総会でエリテマトーデスに関係した演題数題の結びとして近来エリテマトーデスの増加には化学療法剤乃至抗生物質に依る病原菌の生殺し状態が原因をなしているのではないかと述べているが,同じ見解はまたHeilmeyer及びWalterに依つても亦発表されている。最近私達は腎炎が先向し,ペニシリンによつて急性全身性エリテマトーデスへと発展せる2例に遭遇したので報告する次第である。
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