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香料による色素沈着(ベルロツク皮膚炎)の1例
宗像 醇
1
,
新海 恒
1
1日本医科大学皮膚科教室
pp.791-795
発行日 1956年11月1日
Published Date 1956/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201806
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はじめに
1916年E.FreundはUeber bisher noch nichtbeschriebene künstliche Hautverfäirbungenとして一種の色素沈着症の4例について報告し,その原因としてコロン水使用と海水浴或は日光浴をあげている。1925年F.Rosenthalも同様な症例を観察して,その色素沈着の形態が首飾りに似ているところから本症をHauterkrankung ill Ber-lock-Formとして報告し,同年W.Fischer,W.Reugenberg,E.Hoffmann u.H.Schmitz等の報告が相次いでみられ,以後欧米においてはBerlock-Dermatitis,Berlock-Krankheit或はKö-lonisch Wasser Dermatitisなどとして多数の報告が行われており,その原因と考えられるコロン水或は香料についてもH.Goodman,H.Kuske,E.Zurhelle,J.Szántó,J.R.Rogin a.C.Sheardなどの検索成績が発表せられている。
本邦においては昭和11年遠山教授がレゾルチン及びサリチル酸によるベルロツク病として報告された1例があり,昭和28年野口教授の報告された一種の線状色素沈着症も類似の疾患であろうと言われているが,これ等以外に本症について記載はみられない。
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