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萎縮膀胱に対するOpen Flap Methodによる膀胱拡大術について
楠 隆光
1
,
井上 彦八郎
1
1新潟大学医学部皮膚泌尿器科教室
pp.3-9
発行日 1956年1月1日
Published Date 1956/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201589
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最近とみに増加の傾向を示しつつある萎縮膀胱に対し,腸管を巧みに利用して,減少した膀胱の容量を増そうと言う試みは,以前から臨床上又は動物実験上数多くの報告がある。その内で現在迄最も多く施行されているのが,1923年に発表されたScheeleの小腸環膀胱吻合術であろう。この方法は空置した廻腸をclosed loopとして用いているのである。これに対して最近廻腸をopenflapとして用いる方法が発表された。
我々は最近結核性萎縮膀胱の1例に対して,このopen flapを用いる術式を施行し,患者を苦悩から救う事が出来たと共に,腎機能の著明な改善を見た。そこでここにopen flap methodについての実際を綜説的に述べてから,自家経験例について簡単に報告すると共に,本術式並びに臨床経過について2,3の検討を加えて見たい。
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