Japanese
English
手術手技
膀胱拡大術
Enterocystoplasty
折笠 精一
1
Seiichi Orikasa
1
1東北大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Tohoku University, School of Medicine
pp.405-412
発行日 1983年5月20日
Published Date 1983/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203568
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萎縮膀胱の拡大,あるいは広汎な膀胱切除や膀胱摘出後の膀胱形成術には,生体材料や人工材料を補填して膀胱の再生力を利用する方法と,腸管を利用する方法がある。再生力を利用する方法については別の論文1〜3)をみていただき,今日一般に広く行われ4〜7),われわれも行つている腸管利用について述べてみたい。
腸管を利用する方法は,得られる成績が確実なことに加え,術前後の管理と抗菌剤の発達,そして手術手技の向上により術後合併症も減少し,今日では比較的安心して行えるようになつた。また腸管で膀胱を形成した場合,知らず知らずのうちに多量の残尿の発生と形成膀胱の異常拡張が起こり,尿成分の再吸収による血清pH,電解質の異常をきたすという重大な欠点があつたが,これに対しても自己導尿法の安全性が確認されている今日では,必要に応じて自己導尿を行うことを条件にすれば,安心して腸管利用による膀胱形成を行つてもよいと考えている。同じ意味で,われわれは神経因性膀胱にも積極的に行つている。
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