--------------------
精索静脈瘤の高位血管結紮法(Olson and Stone's Operation)による治験例
捧 行忠
1
1新潟大学皮膚科泌尿器科教室
pp.605-607
発行日 1955年9月1日
Published Date 1955/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201500
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
精索静脈瘤は,我国ではさほど多いものではないが,白人には非常に多いものである。従つて今次大戦中も,米軍では相当多数例の手術を施行する必要があつた。そして1942年迄は従来の下部の静脈の結紮及び切除術を行つていたのであるが,術後も症状が残るとか,合併症が多いとかの欠点が眼についたので,その後はラテン・アメリカで以前から行われていた高位結紮法が応用される様になつた。これは1918年にIvanissevitchが始めた方法で,アメリカではBernardiが1941年に施行したのが始めてであつたが,大戦中には米軍々医のJavert and Clark(1944);Zucker(1944)等が多数例に試みてその優秀性が認められた。大戦後になつてRiba(1947);Olson and Stone(1949);Palomo(1949);Lewis(1950)等が術式の一部分は夫々に異つているがこの方法を迫試している。そしてOlson and Stoneは25例に施行して中21例に好結果を得ており,Palomoは38例で1例も睾丸の萎縮を見ないで治癒したことを報告し,Lewisは42例の手術例に就て術後1〜2年の経過を見て成績は満足すべきものであつたと述べている如く,例外なくその成績は良好である。
この手術法は志田圭三等によつて既に昭和27年に我国にも紹介されている。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.