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Erythromycinの奏効せる尋常性天疱瘡の1例
山形 志乃武
1
,
幹 滋
1
1京都府立医科大学皮膚科泌尿器科学教室
pp.132-134
発行日 1955年3月1日
Published Date 1955/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201377
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緒言
Pemphigus vulgarisの発生原因に関し最新の文献としては,昭和28年速水1)が従来の文献的事実を綜合し,1)神経障碍説,2)慢性伝染性疾患説,3)新陳代謝障碍説,4)内分泌異常説の4つを記載して居る。しかし1931年Urbach u.Reiss2)により本症がVirus性疾患と云われて以来,本症がVirusにょつて起る慢性伝染性疾患であるとする説が専ら行われて居る如くである。(An-drews3))
余等は最近偶々Pemphigus vulgaris切1例に遭遇し,之にIlotycinを使用し興味ある結果を得たので茲に報告する。抑々Ilotycin(Eryth-romycin)は各種細菌に対して抗菌性を有するのみならず,又大型のVirusに対しても感受性を有するものとされて居る第6番目の抗生物質である。而して本剤のPemphigus vulgarisに対する使用報告は余等の知れる範囲に於て未だ之を聞かない。
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