線状紫斑病について

緒言

　皮膚科領域に於ける紫斑病は決して稀有なる疾患ではなく内外文献にも多く報告されているが，その發現を形態的に觀るにその發斑が線状を呈する所謂線状紫斑病としてはその記載例は非常に少く，本邦に於ては，1942年羅，1951年横山，宗及び伊藤の諸氏の報告があるのみである。最近吾が教室に於て本症の1例を經驗したので茲に報告する。