--------------------
巨大結石性膿腫腎摘出に際し下空靜脈を損傷した1例
梅野 良二
1
1國立世田谷病院皮膚泌尿器科
pp.434-435
発行日 1953年7月1日
Published Date 1953/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201008
- 有料閲覧
- 文献概要
緒言
腎臓摘出術に於ける合併症には,腹膜,胸膜の損傷,腎茎よりの出血,異常血管の損傷等種々あるが,就中最も重大なる合併症は下空靜脈の損傷である。之は靜脈壁の損傷による大出血よりも,寧ろ空氣栓塞の危険の爲である事は論をまたない。此の下空靜脈の損傷は本邦に於ても,時に見られるであろうと想像されるが,未だ其の報告例を本邦文献中には余の渉獵した範圍では見ない。
余は最近巨大結石性膿腫腎摘出に際し下空靜脈を損傷したが,幸に生命を取止め得たので,其の際の處置及び其後の經過を報告する次第である。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.