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皮膚白血病の3例
池上 奎一
1
,
市川 武城
1
,
竹崎 順子
1
1熊本大學醫學部皮膚科教室
pp.131-137
発行日 1953年3月1日
Published Date 1953/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200923
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Bisiadechi(1879)が始めて白血病に稀に随伴する皮膚病變に就て記載して以來,報告を散見するに至り,Pinkus(1899)は本症を皮膚白血病(Leuk-aemia cutis)と皮膚随伴症(Hautbegleitershei-nung)とに分ち,前者は直接白血性細胞浸潤によつて惹起される特異皮膚病變を指し,皮膚の1局部に限局する腫瘍型と汎發性に發赤落屑を主徴とする紅皮症型とに分つた。山崎,中野(1939)は之に發疹型を加え,谷村,西村,矢野等の賛同を得た。後者即ち皮膚随伴症には直接に特殊細胞の浸潤なく原病とは間接的關係にある非特異性發疹を云い,Andryの云う白血病疹(Leukäemid)に當り,皮膚炎,濕疹,蕁麻疹,痒疹,疱疹等に類する皮膚變化,稀には皮膚出血,皮下溢血を現わす。本症の本邦に於ける最初の報告は明治40年(1907)北川によつてなされて以來余等の蒐集し得た文献によれば50例に滿たず稀有な疾患とされるが,余等は最近本症の3例に遭遇したので茲に報告する。
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