泌尿器科圖譜・16・17
先天性腎杯憩室結石症/多發性尿瘻に伴う會陰部の炎症性腫瘍
山藤 政夫
1
1慶大
pp.53-54
発行日 1953年2月1日
Published Date 1953/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200898
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症例:杉山某,32歳男子,家族歴,既往歴に特記する事はない。
本例は,他側腎(左腎)に結石があつて(第1圖)これによる種々の症状を主訴として來院,偶々その檢査中に本症を有する事を知つたものである。即ち,自覺的,他覺的に所見を有するのは,專ら左腎側のみで右腎側即ち本症を有する側にはレ線檢査を行うまでは何等所見を認めなかつた。靜脈性腎孟像所見は第2圖の如くで左腎上腎杯には明らかに結石像を認めると共に右腎の上腎杯に接して嚢腫樣の興味ある影像を認めた。左腎結石摘出術を行うと同時に右腎上極にある嚢腫を開き,その中に存する多數の小結石をすべて摘出し,嚢腫壁を縫合して手術を了えた。術後經過良好で7週目退院した。レ線所見手術所見及び組織學檢査によつて腎杯憩室内結石と診斷したもので本症は昭和13年本邦に於いて,市川,谷野氏が第1例を報告してから本症例は第6例目に當るものである。
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