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腎結核の水腫型の3例
藤野 文雄
1
,
森 晟
1
1名古屋市立大學醫學部皮膚・泌尿器科教室
pp.703-707
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200868
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I.緒言
腎結核に於て今日多くの學者が倣つているWi-ldbolzの病趣解剖學的分類には「水腫型」なる語はないが,Tuffierは4型の分類中「結核性水腎」をあげ,Marionも12項の分類の第7に「水腎型」なる名稱を用いて「膿腎型」と對應せしめている。志賀,高橋が内外文献より蒐集した腎結核の自然治癒59例中,Kroiss,Heitz-Bouyer,Smi-noro,Schwankeの4症例は水腎様變化を呈した腎結核のようである。近きは落合等(1例),右田・井上(2例),日東寺(3例),比留間・宮田(1例).原口(2例)の報告が見受けられる。從つて水腫型と名付けてよい腎結核の病理解剖型が存在することは肯定されてよかろう。余等はこの水腫型と稱し得る3症例を經驗したので,症例追加を行うと共に併せて1,2の考察を加えたい。
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