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男子尿線の捻れ等に就いて(1)
齋藤 金之助
1
1元九大
pp.432-434
発行日 1952年9月1日
Published Date 1952/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200791
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I 尿線の捻れ
1.序言
此の問題は筆者が九大に在籍中,故高木先生の指導のもとに,教室で研究されていたのを聴いたが,其の後種々の事情で,其の儘となつているので,再び取上げ更に詳細正確な研究の一助ともなればと思い,淺學に鞭打つて,主として水力學的に取扱つて見た。放尿時健康男子に於ては,其の基部に近く,捻れが發生するのを見る。捻れは放尿開始直後より,一定時間繼續している。其の位置的關係は,勿論移動するが,兎も角も捻れが生じて,又一つの尿線となる。淋疾の場合には,尿線は飛散又は滴下状となつて,捻れを見ない。もとより此の問題に就いては,誰にでも觀察を許されるものではないので,非常に狭い範圍の人々に就てのみ,實施計測し得るものである。元來ベルヌーヰの定理は,壓縮されない流體が地球重力の作用のみを受けて,定流を爲し,且つ,流體摩擦を省略する時に成立する。又流線が曲つている時は,其の曲率半經が大で,遠心力の影響を度外視し得る時に適用される。オイラーの流體動力畢の基本式は,次の通りである。
K(流體の單位質量に働く外力の運動方向の分力)g(重力加速度)γ(流體の單位容積の重量)p(壓力の強さdyne/cm2)
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